活動報告

2015年 活動報告

第20回(2015年)JAS協カナダ製材技術・製品視察団報告(mission tree farm伐採現場視察)

と き:

ところ:

							三井ホームコンポーネント株式会社 守田 和史

カナダには4億200万haを超える壮大な森林が存在します。これはカナダの国土の約半分で、日本の国土の約11倍に値します。そのうち、1億4400万haの森林が伐採可能で森林管理活動の対象となります。しかし、カナダでは1990年代から連邦政府と州政府との連携によって「持続可能な森林管理」政策を実施してきており、法律により森林の年間伐採量が制限されています。

伐採可能な1億4400万 ha のうち、実際に伐採できるのは年間 90 万 haで、カナダの森林全体の 1%未満です。また、カナダの森林の94%が公有林で主に州有林です。カナダの公有林では、伐採後速やかに同等以上の植林(年間約 6 億本の苗木の植林)を行い、森林再生に努めることが法律で義務付けられています。

上記の莫大な数字を見ても分かるように、世界の総森林面積の約10%を保有するカナダの森林のスケールは我々の想像を大きく超えており、その豊かではあるが限られた大切な森の恵みを「永続的に守り、育てる」という活動に国単位で取り組んでいることがよく分かります。それは、今回の約7日間の視察の中でも強く感じる事が出来ました。

さて、視察初日5/19午前mission tree farmの伐採現場を見学しました。自治体の管理する約10.5 haの広さを誇るこちらの年間許容伐採量は約4万立米。その内3万5千立米の伐採は下請けが請け負っているとの事です。

伐採する箇所やコースは州政府と密に話し合い、森の生態系を崩さない様に1年程プランを暖めてからの伐採作業になります。タイミングよく一行到着時に、日本では中々お目にかかれない約60tまで掲載可能な迫力満点のロギングトラックが登場。伐採後加工された丸太を積み、今まさに運搬しようとしている所でした。

その後の伐採現場の見学では、伐採から丸太になるまでの一通りの過程を見学する事ができました。一連の流れを見学して、やはり大型の重機を取り扱う事もあり、作業員の安全に対する意識が高いという事。そして何より忘れてはならないのが、森林にはかけがえのない数多くの動植物が生息しており、 これらの動植物の種を守り、ライフサイクルを維持する上で伐採を行っているという事が、説明の中で強く印象に残りました。
  • 林道を作っている所

  • ハイリードでの集材作業

  • 圧巻のロギングトラック

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