株式会社三菱地所住宅加工センター 炭谷 秀和
今回のJAS協カナダ製材技術・製品視察団の建設現場視察は、バンクーバー中心部より車で1時間程の場所にある6階建て木造共同住宅現場の見学を、Red Bellの社長の案内で行いました。
現在、BC州では人口増の為、共同住宅の建設ラッシュとなっており現地ディベロッパーによると6階建て木造住宅を手掛ければ4階建てには興味がなくなるとの話でした。また、当該共同住宅は去年7月に販売を開始し、現時点で9割契約済とのことでした。
建築現場に関しましては、スタッドは1部間仕切り壁を除き、全て206のダブルであり、マグサに関しましては、日本では考えられないですが、12㎜パッキンを使用せず開口上部にくぼみができていました。フレーマーによると、構造上問題なく内壁を貼れば見えなくなるから問題ないとの話でした。
界壁部は室内空間が狭くなる為日本ではあまり見かけない、206壁と204壁を並列施工しおりました。床材は木材を使用せず、スチール製の平行弦トラスで施工しており、理由としてはコスト減になるとの話でした。
また、一番の驚きは6階建てアパート(約20Mの高さ)にもかかわらず、足場がなく外壁工事等は全て高所作業車を使用し工事を行うとのことで、現地では作業床を組みながら建てる工法の為、足場は必要ないと考えられているとの事です。
最後になりましたが、2009年BC州政府はWood First Actを制定し、公共建築物には木材の使用を最優先することを条例化しており、今後更に木材を使用する環境が整っていくと考えられます。また、BC州では木材伐採後の植林が義務づけられており、森林資源が枯渇する可能性は極めて低いと考えられます。
今回の視察を通しまして、BC州と企業が協力し、持続可能な資源として森林を維持管理しているのが非常に伝わってきました。
今回の視察の成功に尽力されたCOFI及びJAS協の皆様に感謝致します。
2015年 活動報告
第20回(2015年)JAS協カナダ製材技術・製品視察団報告(6階建木造2×4共同住宅の視察)
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