三井ホームコンポーネント株式会社 守田 和史
5/22午後 いよいよ視察も後半に差し掛かり、この日はプリンスジョージにある1982年創業キャンフォー社JDリトルフォレストセンターを訪問しました。
こちらでは創業当初の10基のガラスの温室(1基で苗約60万本)と12基のビニールの温室(1基で苗約43万本)の合計24基にて現在年間約900万本の育苗が行われています。使用されている種はケロウナ、バーノン、オーチャードから仕入れたクラスAのもので、1つのポッドに2つずつ種を蒔く事で虫害に備えます。
育苗内訳といたしまして、パイン50%、スプルース40%、その他ダグラスファー等10%の割合になります。 3月から10月にかけて育苗され、温室にて肥料を含んだ水の自動放水や、温度、光度を調整する事で苗の成長をコントロールし、自然のおよそ2〜3倍の早さで育ちます。収穫後は冬の間は-2℃の冷蔵庫で保管され、春の出荷を待ちます。植林してから伐採に至るまでは約70年という年月がかかります。
今回の約7日間の視察では、種苗からの育苗、苗木から長い年月を経て育った森林の伐採、伐採後の丸太から日頃我々の取り扱うSPF材への加工。日本との違いを肌で感じたカナダ建築現場視察等、ハードスケジュールではありましたが、美しく壮大なカナダの自然に囲まれ、大変充実した経験が出来ました。
「持続可能な森林管理」というテーマに国を挙げて取り組む姿勢に心を打たれ、深く考えさせられました。工場でパネルを生産している私に何が出来るか。些細な事かもしれませんが、今回の経験を少しでも周りに伝え、日頃何気なく使用している材の歩留まりを向上させ無駄をなくす。その為には一人ひとりが今まで以上に材に興味を持ち、より知識を高め、グレーダーとしてのレベルを上げる事だと思います。
最後になりますが、今回多くの経験と製材技術等に関する理解を深めることができました事に深く感謝しております。COFI、JAS協事務局をはじめ関係各位の皆様のご尽力の賜物とあらためて御礼申し上げます。
2015年 活動報告
第20回(2015年)JAS協カナダ製材技術・製品視察団報告(プリンスジョージ種苗園視察)
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